新型コロナウイルス対策として国が支給する1人10万円の特別定額給付金を巡って、一部で「生活保護バッシング」が起きている。10万円支給について意見を求めた西日本新聞アプリの読者投稿コーナーにも「働かざる者、10万円もらうべからず」という趣旨のコメントが相次いだ。バッシングの根っこに何があるのか、生活困窮者を支援するNPO法人「ほっとプラス」(さいたま市)の藤田孝典理事と考え、反論したいと思う。 「一番大きいのは妬ねたみ、そねみ。自分は頑張って働いているのに、何で『怠けている人』に生活保護や10万円まで与えるんだという思いがある」。藤田さんはこう説明する。 生活保護の受給資格がある人のうち、実際に受給している人の割合(捕捉率)は推計2割程度とされる。受給せず「頑張っている」人や、努力して貧困から抜け出した人には、受給者は「怠けている」と映るのかもしれない。だが藤田さんは「頑張れない社会構造」の