経済という言葉の語源「経世済民」には「世をおさめ、民をすくう」という意味があります。新コラム「経世彩民」では、記者が日々の取材を経て思うこと、伝えたいことを色とりどりの視点でつづっていきます。原則、毎週火曜朝に配信します。 中武さんは福井工業大学で原子力工学を専攻している。受験のときから祖母は猛反対だった。「女の子なんだから大学にいかんでいいし、まして原子力なんて」。両親にもあたった。「親の育て方が悪いからやないか」 この正月に中武さんが帰省したときも、「(原発は)危なくないの?」と聞かれた。母方の祖母からも「エネルギーなら火力でいいんじゃないの」と言われた。孫を哀れみ、かつては涙ぐまれることもあった。 「科学的じゃないので説明できない」 いつも同じ質問に、中武さんの口調は強くなる。 「どういう視点から危ないというの? 確率? 安心か安心じゃないかというのは科学じゃないので、私には説明でき