ぼくらは、主に、吉本さんの「講演」などの 「しゃべりの仕事」を中心にして、 へたなお手伝いをしているのですが、 なんどでも、ご本人はおっしゃるのであります。 「おれは、しゃべりができない」と。 だから書くことで生きてきた、というのですが、 ぼくの勝手な考えでは、 苦手なほうの「しゃべり」があったおかげで、 ぼくらにわかることがずっと多くなったんですよね。 でも、ときどき思うんですよ、ぼくなりに。 ほんとうは得意な「書くこと」のほうで、 勝負してきた吉本隆明さんに、 得意でないことばかりをやらせようとしている。 これが、ときどき、もうしわけないなぁと思うんです。 「ほぼ日」の「しゃべり」だけで吉本隆明を知っている方、 難解だと言われる「書くこと」で成り立っている本を、 ちょっと立ち読みでもなんでもしてみてください。 ああ、得意なことっていうのは、 こういうことなんだなぁ、と 感じさせられちゃ