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高炉の内部を観察した「のぞき眼鏡」を手にする山地保さん。雨のように降り注ぐ鉄や炉内の色を確かめた=神戸市垂水区(撮影・大山伸一郎) 神戸製鋼所は10月31日、約60年にわたり鉄鉱石から鉄を生み出し続けた神戸製鉄所(神戸市灘区)の高炉を止めた。1959(昭和34)年に稼働した1号高炉は、神鋼を鉄鋼大手の一角に押し上げる契機となったが、旧満州(現中国東北部)帰りの男たちの技術が礎になったことは知られていない。同製鉄所で三つの高炉全ての建設に携わった山地保さん(91)=神戸市垂水区=らOBの証言から歴史を振り返った。(高見雄樹) 「湯が出たぞ」 山地さんがハンマーを振り抜くと、穴から黄金色に輝く溶けた鉄が火花を散らしながら流れ出てきた。技術者2人が作業を見守る静かな船出だった。 52(昭和27)年夏、神戸・脇浜(わきのはま)で試験高炉が完成した。現在のHAT(ハット)神戸、神戸市立渚(なぎさ)中
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