集中講義「映像で見るパレスチナII」の最終日、今日は『太陽の男たち』を観てきました。シリアの1972年の映画で、白黒フィルムでした。3人のパレスチナ難民が、運転手として働いている別のパレスチナ難民の運転する給水車のタンクに隠れて、クウェートに密入国を企てるが、結局タンク内で熱中症となり死んでしまう話。 しかしそもそも、原題は رجال في الشمس “太陽の中の男たち”(のどかに訳せば“日向の男たち”)で、太陽光線の熱に焼かれて死んだ男たちを直接的に指しているので、邦題(黒田寿郎訳)の“太陽の男たち”はまずい訳だ、とアラブ文学のぬ田原教授が在任中にコメントしていらしたのを思い出します。 さて、いきなりラストシーンの話ですが、原作では、タンク内で運命を甘んじて受け入れ黙って死んでいった男たちに、運転手が、 「なぜタンクの壁を叩かなかったんだ? なぜだ、なぜだ、なぜだ」 と激しく問いかけて