井川メンパとは、葵区の山間地「井川」で古くから作られてきたお弁当箱です。 ヒノキの薄い板を丸く曲げて、継ぎ目を桜の皮で縫い合わせた後、生漆を塗って仕上げています。天然漆の光沢が美しく、滑らかな手触りがあります。大きさによって男持ち、女持ち、菜メンパの3種類あり、形は丸型と小判型があります。使い込んでいくと、漆の色が抜けていき、色合いの変化を楽しめ、愛着がわいてくるお弁当箱です。 井川メンパの原型となった曲物(まげもの:木材を丸く曲げて作る桶などの容器)は、鎌倉時代から井川で作られていたと言われています。室町時代になると、井川は金が採れる鉱山として栄えます。鉱山での作業に使う柄杓や桶などの曲物が盛んに作られていました。 江戸時代末期になると、曲物の技術を使ってお弁当箱やお櫃などの生活用具を作り、近隣へ販売していました。この時期に漆塗りの技術が加わり、現在の井川メンパの姿が出来上がったと言われ