アホウドリがシャチを追跡して、その食べ残しをエサにしている――。 国立極地研究所の高橋晃周(あきのり)准教授らがアホウドリの背中に小型カメラを取り付けて行った観察から、そんな生態が浮かび上がった。米科学誌「プロスワン」に発表した。 高橋さんは、南極に近いサウスジョージア諸島で、小型の「マユグロアホウドリ」に、小型カメラと、潜水深度や水温の記録計を付けて観察。アホウドリが仲間とともにシャチを約30分間追いかけ、潜水を繰り返していることを確認した。シャチが深海で取ってきて食べ残した魚が、海面に浮いたところなどを狙っていたとみられる。 アホウドリが自分の潜水能力では到達できない深海の魚をヒナに与えていることは知られていたが、その入手法は謎だった。高橋さんは「エサのうち、シャチなどに頼る割合がどの程度なのか、今後の調査で全体像に迫りたい」と話している。