いまも土木の基本工具であるツルハシだが、国内で唯一製造を続けていた姫路市の鍛冶屋、外川産業が廃業した(廃業告知)。 工場は姫路駅近くの線路脇にあり、何トンというハンマーが、ズガーン、ズガーンと上下して、真っ赤な鉄の塊がみるみるうちにツルハシに形を変えていくさまは、まさに壮観だった。 外川産業の鍛造ツルハシは高品質で知られる。近年は輸入品に押されていたものの、廃業に至った直接原因は業績悪化はなく、姫路市に追い出されたことである。駅周辺の区画整理事業で移転を迫られ、しかし適当な移転先がなく、鍛冶屋の操業をあきらめざるを得なくなった。今後は海外での工場建設を目指す方向で検討中という。 廃業を迫られているという話は2006年には聞いていたが、実際に閉鎖されてしまうと、やはり寂しさと不安を禁じ得ない。