世代間で見る色が違う 夢の色がどのように見えるのか、という興味深い実態調査を行ったのがAPA(アメリカ心理学会)。APAは'93年と'09年の2度にわたって、10代から80代までの被験者を対象にこの調査を行ったところ、どちらの結果も、カラーの夢を見ると答えた被験者の割合は、30歳未満が約80%に対し、60代ではわずか20%程度であったという。 つまり、生まれが'49年以前の者と'63年以降の者とでは夢の色に明確な差があると判明したのだ。 この差は一体何か。APAは一つの結論として、「世代間における夢の違いは、カラーテレビの普及によるものだ」という驚きの報告をしたのだ。 そもそもなぜ人は夢を見るのか。睡眠時、脳を構成する神経細胞同士をつなげるシナプスにより記憶の取捨選択が行われる。その際に生じる日々の記憶の「断片」が、夢の素になるのだ。 この記憶の断片には、特にテレビの視覚情報が多く含まれる