はじめに EME(Earth-Moon-Earth 月面反射通信)という言葉を聞いただけで、「困難な通信」という印象をお持ちの方は多いと思います。さらに電信のスキルがないと通信できないとお思いの方もいらっしゃると思います。確かにかつて(10年以上前)のEMEはその様な状態でした。巨大アンテナ、高出力リニアアンプ、高性能プリアンプ、月を正確に追尾する装置などの設備に加え、電信の技術、さらには1アマの資格とハイパワー免許も必要で、ごく一部の局によって運用されている様な状況でした。 しかし、微弱信号通信用ソフトウェアWSJT(写真1)の登場よって状況が一変し、少なくとも受信については、ハイパワー免許も不要なため、以前と比べるとEMEを実現するハードルがかなり下がっています。今回は、まず月からの電波(正確には世界各国から発射され月面で反射した電波)を受信する方法について説明します。 (写真1) W