日本の不動産が外国資本、とりわけ中国資本に買収されていることが指摘されるようになって10年以上になる。この話題になると多くの日本人は買収する外国資本を批判するが、日本には外国資本の不動産売買を規制するルールがないのをご存じだろうか。買収する側からすると不動産買収は一つの商いであり何ら違法ではなく、問題は、日本人の危機意識の欠如につきる。 政府はこれまで何度もルールを作ると強調してきたが全く進展してこなかった。それがようやく重い腰を上げそうだ。安全保障上重要な土地の買収に関して、有識者会議を設置し、重要防衛施設周辺や国境離島に区域を指定し、土地購入者に国籍など事前届出を義務付けるなど2021年の通常国会での法案提出を目指すという。これまでの消極的な対応からすると大きな進歩だが、安全保障上重要な土地(防衛施設周辺など)と限定していることが不安だ。 安全保障とは軍事防衛だけではなく食糧や発電、水