【ワシントン=嶋田昭浩】米中央情報局(CIA)が、テロ容疑者として拘束した外国人を世界各地の秘密収容所に移送する際、中継点の一つとして日本の空港を利用していたことが三十日、明らかになった。関係者によると、航空当局に提出する飛行計画には実際に利用した関西国際空港でなく、成田空港が中継地として登録されていた。秘密工作の実態を隠蔽(いんぺい)するため、意図的に事実と異なる記載をした可能性も指摘されている。 人権団体などが移送工作の解明を進めてきた。今回判明したのは二〇〇二年ごろからポーランドなどのCIA秘密収容所で拷問を受け、〇六年以来キューバ・グアンタナモ米海軍基地内に収容されているパレスチナ人、アブ・ズベイダ収容者の移送ルート。 弁護団が同収容者をめぐる飛行ルートなどの関係資料を先月、ポーランド検察当局に提出。同国検察が今月二十日に同収容者を秘密工作の「犠牲者」と認定し、本格的な調査に乗り出