医師不足が深刻化する契機となった新臨床研修制度。17日の検討会では、約1万2000人の医学生や研修医らの生の声を集めた調査結果が公表された。そこからは、なぜ医師の地域偏在や、診療科ごとの偏りが起こるかが見えてくる。大都市に集中 研修医が大都市に集中してしまったことが、地方での医師不足の背景だ。来春から、2年間の研修が始まる現役医学生らの希望調査では、東京など大都市の民間病院が人気を集める一方で、富山など地方の病院が募集定員を下回っている。 しかし、今回の調査では約7割の医学生が「条件が合えば医師不足地域で研修をしてもいい」と回答した。来春から臨床研修予定の大阪の公立大学に通う男子医学生(26)は「いい医者になりたい。指導医や研修プログラムがいい病院なら、医師不足の僻地(へきち)の病院でも行く人はいると思う」と話す。 調査では、地方へ行く条件(複数回答)として「給与などの処遇・待遇がよい」(