地震で負荷がかかる部分 【清宮涼、倉富竜太】世界遺産・原爆ドームの耐震性を広島市が調査したところ、震度6弱の地震で一部が損壊する可能性のあることがわかった。市は壁をくりぬき、サンプルを採取して、より詳しい調査に乗り出す。 広島市は2007年から壁の強度や揺れ方の特徴を調べてきた。そのデータをもとに昨年1〜10月、専門業者にコンピューター解析を委託。地震で水平方向と垂直方向の力がどれだけかかり、壊れる恐れがあるか調べた。解析結果について、建築や文化財保存の専門家らに意見を聞いた。 その結果、市が想定する最大規模の震度(6弱)の地震で、中央のドーム部分の左右の壁など4カ所に負荷が集中し、部分的に損壊する可能性のあることがわかった。01年の芸予地震(広島市中区は震度5弱)で被害がなかったことから、1967年と89年に実施した保存工事で接着用の樹脂を壁に注入した効果は出ているとして、「ドーム