大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が昨年10月に自殺した問題で、いじめが原因との見方が強まり、社会的な関心を集めている。テレビなどでは評論家による分析が多いが、実際の教育現場ではどのようにいじめに対応しているのか。長年「荒れた」学校でいじめや暴行問題に向き合ってきた現役中学校教師、瀬田川聡氏に話を聞いた。 25年間の教師生活の大半を荒れた中学での指導にあたってきたと聞きます。教育現場におけるいじめの現状を教えてください。 瀬田川:16年前から担任を持たずに学校全体の生徒指導を指揮する「生徒指導専任教諭」という役職に就き、毎日のように「いじめや暴行」の問題に向き合ってきました。こうした役職があるのも、学校内でいじめや暴力などの問題が絶えないからです。 文部科学省の2010年度の調査によると、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校における「いじめ」の認知件数は約7万7600件であり、「暴力