口蹄(こうてい)疫問題で、宮崎県は18日までに、発生農場を県内に複数所有する畜産会社、安愚楽(あぐら)牧場(栃木県・三ケ尻久美子社長)に家畜伝染病予防法などに照らし不適切な対応があったとして、近く指導を行う方針を固めた。 県の検証委員会(座長・原田隆典宮崎大教授)の調査では、昨年4月下旬に発生が分かった川南町の農場で、口蹄疫の通報の遅れや、獣医師ではなく一般従業員による家畜への投薬が日常的に行われていたとされた。同社は報告書の指摘について「真摯(しんし)に受け止め、改善策をさらに進めたい」とコメントした。 県の承認を受けずに制限区域内のふん尿を移動させていたと報告書に指摘があった同社以外の養豚場も指導する方針。 口蹄疫は昨年4月、国内で10年ぶりに宮崎県都農町で発生。爆発的に感染が拡大し、計5市6町で牛や豚約29万頭が殺処分された。同年8月に県が終息宣言を出し、被害農家が経営を再開している