歳を重ねれば、死ぬこと自体は受け容れざるをえない。だが、苦痛を伴う死に方は勘弁してほしいと思うのが人情だ。「痛い死に方」と「理想の逝き方」を研究する。 想像を絶する苦しみ「がんの王様」 「当時71歳だった父の膵臓がんが発見されたときは、すでにステージⅣで、医者から余命半年と言われました。このステージでの5年生存率は10%以下だとわかっていたので、それなりに腹は決めていた。 ですが、その後の苦しみは想像を絶するものでした。背中や腰の痛みがだんだん激しくなり、本人は息をするのもつらいと言っていました。 体重はすっかり落ちて痩せこけ、身体や眼の白目の部分が黄色くなる黄疸が出た。また、父は糖尿病を患っていたのですが、インスリンを出す膵臓をやられたことで、血糖値のコントロールができなくなり、病状は悪化していきました。 結局は、生きる気力も奪われて4ヵ月ほどで亡くなりました。俗に『がんの王様』と呼ばれ