福井県大野市の旧火葬場で焼かれて白骨化した2人の遺体が見つかった。歯の治療痕などから近くに住む80歳の男性と82歳のその妻であることが分かった。 付近には乗用車がエンジンをかけられたまま放置され、クラシック音楽が大音量で流されていた。不審に思った近所の住民が警察に通報。警察当局が捜査した結果、使用されなくなって30年たつという火葬場の火葬炉から2人の遺体が発見された。 使用された乗用車の中からはガソリンスタンドの伝票の裏にその日自宅を出てからの行動が事細かにメモされていた。 「午後4時半、車の中に妻を待たせている。」 「午後8時、妻とともに家を出る。」 「車で兄弟宅や思い出の場所を回って焼却炉にたどり着いた。」 「妻は一言も言わず待っている。」 「炭、薪で荼毘(だび)の準備をする」 「午前0時45分をもって点火する。さようなら。」 車から流れるクラシック音楽の中、2人は火葬炉に入りロープを