東日本大震災が、電気自動車(EV)の“弱点”を浮き彫りにした。2011年4月4日発売の日経トレンディ5月号でEVの特集を担当した記者が、直接の被災地ではない場所での試乗中に大地震に遭遇。この体験により、EVの抱える意外な課題が明らかになった。 日産自動車が満を持して発売した、電気自動車(EV)の「リーフ」。その実力を試すため、東名高速道路を走る長距離テストに挑んだのは、3月11日。午前中に都内を出発してから、ようやく辿り着いた清水インターチェンジ(IC)の出口付近で東日本大震災に遭遇した。震源地から遠く離れた静岡県だが、震度5弱を記録。停車中の車内でも、かなり強い横揺れを感じた。 後から考えれば滑稽な話だが、大地震の発生当初はEVのモーターが誤作動を起こして車体が振動しているのではないかと不安に駆られ、ブレーキを強く踏み込み、慌ててスイッチを切った。だが、それでも横揺れは一向におさまらない