さまざまな世界情勢のあおりを受け、コーヒー市場がここ数年、厳しさを増している。自家焙煎(ばいせん)を行っている県内の専門店などでは複数銘柄で入荷のめどが立たないケースが続出。主要産地での自然災害に加え、内戦や円安、新興国の消費拡大といった要因も複雑に絡み、「このままでは庶民の手の届かない商品になりかねない」と危惧する声も聞かれる。 静岡市葵区のフレッシュロースター珈琲問屋静岡店では「ブルーマウンテンNO.1」をはじめ、ハワイコナの最上級品「エキストラファンシー」などの在庫がゼロ。他の高級銘柄も確保が難しく、仕入れ価格が高騰しているモカ・マタリなどは3月、10%ほど値上げした。男性店長(38)は「非常事態。こんなのは初めて」とため息交じり。焼津市のコーヒー店も「マウンテン」の名が付く銘柄などで仕入れが軒並み難しくなっているという。 複数銘柄で一斉に入手困難になっている原因は、中南米で近年