3月といえば雛祭りだろう。17世紀から全国レベルに拡がった年中行事である。現在では太陽暦の3月3日に設定されているため季節感がはっきりしないが、そもそも桃の節句と呼ばれるのは、旧暦の3月3日頃が、桃の花が咲く時期にあたっていたからだ(暦については、前回のコラム「『春節』を祝わない日本は不思議な国なのか?」を参照)。 雛祭りには雛飾り。雛壇の最上段にはお内裏(だいり)様とお姫様。三人官女と五人囃子があって、その下の4段目に左大臣と右大臣が配置される。左大臣は正面から見て右側に、右大臣は左側になる。左大臣が向かって右側に置かれるのは、見る人の立場と、人形にとっての立場が逆になっているからだ。 面白いことに、平安時代以来の日本の官職では、左大臣のほうが右大臣より位が高かった。漢字熟語だと「左右」というように左が先に来る。もともと漢字文明圏では、左のほうが右より優位にあるとみなしていたのだろうか。
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