同じアニメ映画だが、この2作はきわめて異質だ。両者を比べるのは、「スターウォーズ」と「寅さん」を比べるようなものだろう。人気投票をすれば「トイストーリー3」により多くの票が集まるに違いないが、「借りぐらしのアリエッティ」には「トイストーリー3」にはない味わいがある。 「トイストーリー3」は、手に汗を握るスリルを味わい、最後に心から「面白かった!」と思える映画だ。物語は、オモチャたちを長年愛してくれたアンディが大学に進学することになり、オモチャたちと別れるシーンから始まる。屋根裏部屋にしまわれるはずが、手違いでゴミ収集車に放り込まれたオモチャたち。その後は、これでもか、これでもかと、オモチャたちにピンチがおそいかかる。力をあわせてそれらを乗り切るのだが、最後に絶体絶命のピンチが訪れる。このピンチからどうやれば脱出できるのか、まったく想像できなかった。救世主を観客の視野から消しさったマジックは