発想がおかしすぎる。 カシオの人たちは腕時計というものをつくろうとせず「左腕につける計器」をつくっている気がする。いや、もしかして逆なのか。腕時計はもともとそういうもので、わたしがいつのまにか装飾品として見ていただけなのか。 カシオが腕時計ブランド「G-SHOCK」を開発してから30年。安さ、かっこよさ、頑丈さが若者の心をつかんで大ヒットした腕時計はまだ開発が続いている。「あったねえ」「まだあるんだねえ」とか、そんな悠長な話ではない。 「G-SHOCK MUDMASTER(マッドマスター)」(GWG-1000)だ。価格は8万6400円。今年8月から発売中。世紀末でも生き残りそうな外装と仕様は初めて見たとき衝撃を受けた。 名前のマッドは泥のMUD、つまり防塵防泥モデル。基本仕様は6局受信の電波ソーラー、方位・気圧・高度と3つのセンサーを搭載する。繊細な中身と裏腹に、あきれるほどの振動や衝撃に