『狂つた一頁』(くるったいちぺいじ[4]、小書き表記:『狂った一頁』)は、1926年(大正15年)9月に公開された日本のサイレント映画である。監督は衣笠貞之助、主演は井上正夫。衣笠が横光利一や川端康成などの新感覚派の文学者と結成した新感覚派映画聯盟の第1回作品で、日本初の本格的な前衛映画(アヴァンギャルド映画)である[5]。精神病院を舞台に、過去の心的外傷で精神を患い入院した妻を見守るために、その病院で小使として働く老人を主人公とする家庭悲劇の物語が、過去と現在、幻想と現実、狂気と正気を交錯させながら展開される[6]。 物語は松沢病院を見学した衣笠の発案によるもので、川端、衣笠、犬塚稔、沢田晩紅の4人の共同で脚本が作成され、撮影終了後に川端名義でシナリオが雑誌上に発表された。衣笠がプロデューサーを兼任した自主製作映画として作られ、撮影は1926年(大正15年)5月に松竹下加茂撮影所を借りて