暴力や脅迫によって強制的に労働させられる「人身取引」事件で最近、日本人被害者の数が増えている。風俗店で働く若い女性が、根拠のない多額の借金を背負わされるケースが後を絶たないといい、捜査側は取り締まりを強化している。 警察庁によると、昨年1年間の人身取引事犯の被害者は46人。うち日本人は25人で、統計を取り始めた2001年以降最多だった。日本人被害者は、出会い系サイトなどを利用して売春を強制させられるといった性的搾取が84%を占めた。 元々、フィリピンやタイなどの外国人女性がだまされ、日本への渡航費用などの名目で多額の借金を負わされたうえ、飲食店や性風俗店で働かされるケースが多かった。 日本人の被害者が増えたのは、ネットの発達などで女性が性風俗店の募集に直接、アクセスしやすくなり、短期を含めた就労間口が広がったことが考えられるという。加えて、取り締まりの強化に伴い、認知件数が増えたことも影響