文学フリマ(以下、文フリ)がこれだけ盛況なのに対して、文フリで出品されているようなZINE、同人誌、文芸誌などの電子化ってまだまだ進んでいないよなあと考えたりしている。小説『ハンチバック』で芥川賞を獲った市川沙央さんが問題提起したように、書籍全体として電子化が遅れているようなので、出版社にはもっと頑張ってほしいと思うのだが、その一方で、個人や小規模のサークルなどが制作しているZINE、同人誌、文芸誌なども電子化を進められたらいいなあと思う。 [……]『ハンチバック』を書くきっかけは、通っていた通信課程大学での卒論リサーチです。障害者や差別の歴史を調べていて、いらだちを感じることが多々ありました。 とくに、日本の読書バリアフリー環境の遅れは目につきました。障害者の読書を想定せず、電子化されていないものが多い。重度障害者だってもちろん本を読むということに気づいてもらうために、いろんなものを書く