要件定義におけるデータ設計は、一般的にその工程内のタスクとして存在することはありません。それは、データ分析の結果は論理テーブルのスキーマ定義だけではなく、「作るべきシステム」の基本設計のすべてに反映されることになるからです。したがって、データ設計だけを抽出してこのコラムで紹介していくのは、大変難しいため、今回は業務分析内で特にデータ分析が関わるポイントについて述べていきたいと思います。 また、当然ですがこのコラムの内容は、システムにリレーショナルデータベースが存在することが前提です。 ○ トップダウンアプローチとボトムアップアプローチ 業務分析でのデータ分析は、トップダウンアプローチで業務エンティティを抽出することから始まります。多くのシステムでは、要件定義の段階で属性項目が洗い出されていることはあまりないため、ボトムアップアプローチによる、関係(リレーション)の抽出からのテーブル定義につ