自由が丘駅正面口を出て右、お洒落なショップ建ち並ぶカトレア通りを、5分ばかり進んで行くと、ふと駅前の喧騒が晴れ、静かな住宅地の趣になり、右手に落ち着いた古民家が現れます。 突然、タイムスリップしたかのような景色。とても自由が丘とは思えない異空間です。 ここは「古桑庵」という茶房ギャラリー。 小説家松岡譲(明治24.9.28~昭和44.7.22 小説家)と友人の渡辺彦が、隠居後2人が楽しむ茶室として、昭和29年に作った建物です。 かつては住居として使われていたそうですが、平成11年に人形作家の渡辺芙久子が茶房としてオーブン。現在は、彦の孫で芙久子の娘にあたる方が、引き継いで運営しています。 「古桑庵」という名は、松岡譲が命名したもの。 松岡譲は、芥川龍之介(明治25.3.1~昭和2.7.24 小説家)、菊池寛(明治21.12.26~昭和23.3.6 小説家・劇作家)、久米正雄(明治24.11