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![国立国会図書館サーチ(NDLサーチ)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a042e6b46364b9148cbea22449fa06f2890f23a1/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fndlsearch.ndl.go.jp%2Fassets%2Fndls%2Fog.png)
杉田玄白が、新大橋の中邸を出て、本石町三丁目の長崎屋源右衛門方へ着いたのは、巳刻(みのこく)を少し回ったばかりだった。 が、顔馴染みの番頭に案内されて、通辞、西善三郎の部屋へ通って見ると、昨日と同じように、良沢はもうとっくに来たと見え、悠然と座り込んでいた。 玄白は、善三郎に挨拶を済すと、良沢の方を振り向きながら、 「お早う! 昨日は、失礼いたし申した」と、挨拶した。 が、良沢は、光沢のいい総髪の頭を軽く下げただけで、その白皙な、鼻の高い、薄菊石(あばた)のある大きい顔をにこりともさせなかった。 玄白は、毎度のことだったが、ちょっと嫌な気がした。 彼は、中津侯の医官である前野良沢の名は、かねてから知っていた。そして、その篤学の評判に対しても、かなり敬意を払っていた。が、親しく会って見ると、不思議にこの人に親しめなかった。 彼は、今までに五、六度も、ここで良沢と一座した。去年カピタンがここの
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