2016年卒で導入された「就活後ろ倒し」が見直しにさらされています。理由は企業や学生から「就活の長期化」が問題視されたためですが、そもそも後ろ倒し自体がこの問題を解決しようとして実施された取り組みでした。 これについて考えるためには大学などからの批判に耳を傾ける必要がありますが、そもそも「就活の長期化」は本当に悪いことなのでしょうか? もしかすると、もはや解決すべき重要な問題とはいえないのかもしれません。(文:河合浩司) 学生の期待に応えていないことに無自覚な大学 長期化を問題視する筆頭者は、大学関係者です。就活に時間をとられると、学生が大学からいなくなります。自分たちの食い扶持である「授業」の存在価値、もっと言えば自分たちの存在価値が怪しくなるわけですから、当然ながら大騒ぎします。 しかし彼らは、自分たちが提供している授業が学生の期待に応えていないことを考慮していません。大学の授業にたく