2月26日に発表された芳林堂書店の破産はショックだった。高田馬場芳林堂は早大に近いこともあって弊社刊「マスコミ就職読本」が最も売れた書店で、よく足を運んでいた。そういえば今年は全く追加注文が来ないなと思っていたらこの事態である。 ネットでは、2月5日に取次の太洋社の廃業発表があって、芳林堂が同取次の大手取引先だったことから、太洋社廃業が芳林堂に波及したという見方が流布されているが、正確にいえばそうではないだろう。というのも2月22日に弊社を含む全出版社に太洋社からやや深刻な報告が送られていたからだ。 太洋社は2月8日の債権者向け説明会で、資産売却などによる自主廃業を行い、出版社などの債権者に迷惑をかけないつもりであることを表明したのだが、その後、事態が悪化したと報告してきた。そしてその中で、大口取引書店の売上金の焦げ付きを指摘していた。そもそも太洋社の経営悪化の一因としてその大口書店の売掛