日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の役員報酬を巡る有価証券報告書の虚偽記載事件で、ゴーン容疑者が、報告書に記載のない報酬の「後払い」分について、日産が購入した高額の絵画を役員退任後に譲り受け、現金化するなどの具体的な受け取り方法を検討していたことが関係者の話でわかった。こうした方法は、報酬の後払いなどが明記された「覚書」とは別の文書に記載されていた。 覚書には、ゴーン容疑者や同社前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者(62)らの直筆の署名があったことも判明。特捜部は覚書と文書をそれぞれ入手し、報酬の後払いが確実だったことや報酬の意図的な隠蔽(いんぺい)を裏付ける証拠とみて調べている。 ゴーン容疑者は、ケリー容疑者と共謀し、2011年3月期~15年3月期の5年分の役員報酬が実際には約99億9800万円だったにもかかわらず、有価証券報告書に約50億円少なく記載したとして金融商品取引