スタートアップ……社員が10名以下のフェーズで参加してくれる人というのは、とにかく貴重です。安定感のまるでない会社へ、きっとこの人ならなんとかしてくれる、と社長への信頼だけでやってきてくれるメンバーは、どれほど心強いことでしょう。 しかし、会社は成長していきます。そして、どんどん新しい社員が入ります。そこでは、これまでのやり方を否定されることも出てきます。 とあるスタートアップ企業の古参メンバーの中井さん(仮名)は、それが許せませんでした。スタートアップで何もルールがないなか、手探りで作り上げてきた道を新参者に「整っていない」と一蹴されることで、プライドを傷つけられたのです。 最初に入ってくる人は「仕組みなんてないのが当たり前」と思っています。だから試行錯誤でシステムを作り、ダメな部分を改善して積み上げました。たとえば、給与計算はただの紙へ印刷していたのが、そのうち袋とじになりました。 し