日本原子力研究開発機構が高温ガス炉の研究開発に着手して46年になる。多目的高温ガス炉として概念設計にとりかかったのは1969年。85年に高温工学試験研究炉(HTTR)として詳細設計が始まり、91年に建設工事に着手、97年に完成した。機器・システムの機能確認など必要な手順を踏んで、2010年に目標のセ氏950度で連続50日の運転も実施済みだ。同年の12月には、重要な試験で期待通りの結果を得ている。炉心で冷却材であるヘリウムの流れが止まっても、自然に炉停止の状態になることを確かめる高温ガス炉ならではの安全性実証試験だ。 ただし、この試験は出力が30%で行われた。100%出力で試験しようとしていた矢先の2011年3月、東日本大震災に見舞われる。予定された開発スケジュールの中断を余儀なくされ、安全性についての再確認が迫られているのは、商用原子炉と同様。他方、福島第一原発事故で、軽水冷却型原子炉の弱
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