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  • 専門語のこと - レジデント初期研修用資料

    戦争を行うためには戦争語で会話することが必要で、日語では戦争ができない」と山七平が書いていたけれど、様々な業界に、業界ごとの「専門語」というものがあるのだと思う。専門語をしゃべれない人は、専門家の輪に加われないし、専門語をしゃべれない人が、会話語で現場を指揮すると、プロジェクトは業界を問わず、似たような経過をたどって失敗してしまう。 放水が成功した 原発に対して連日のように放水が繰り返されていて、今のところは「成功している」という言葉が、政府の側から発信された。 現場の頑張りは、疑いようもなくすごいことなのだけれど、現場が神がかり的にがんばって、その成果がたしかに「成功」と判断されて、それでもなお、現場の人たちの頑張りが、どんな形で最終的な状況の収拾に貢献しているのか、それが今ひとつよく分からない。現場はがんばっています、放水それ自体は成功です、という発表はもちろん喜ばしいのだけれど

    mmasuda
    mmasuda 2011/03/21
    うーん。
  • 理不尽にやると上手くいく - レジデント初期研修用資料

    ちょっと前、「ジューサーの中に金魚を入れる」という現代美術の展示があった。 ジューサーの中に金魚と水が入っていて、スイッチだけリモコンで、観客の側に置かれる。観客は誰もがそのスイッチを押すことができるようになっていて、「いつでも金魚を殺せる」という、その感覚が展示になっていた。 金魚の寿命を延ばすもの この展示で、実際にボタンを押せた人はたぶんいないのだろうけれど、これをたとえば、ジューサーに入れた金魚をインターネットで公開して、ネットの向こう側にいる誰もが、匿名のままそのボタンをクリックできるようにしておくと、誰かがボタンを押してしまう。多数決ルールを導入して、「ボタンを押した人が累計で10人を超えたら、ジューサーの電源が入ります」という看板を出しておくと、ボタンが押される閾値はますます下がる。 匿名ルールを廃して、たとえばTwitter のような、押した人をある程度トレースできるメディ

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    mmasuda 2011/02/27
    適度な見せしめを晒す論理か。
  • 面白い物を生み出す仕組み - レジデント初期研修用資料

    出版社ごとの、文化というか、時間の流れかたについて。 原稿は忘れた頃にやってくる ずいぶん昔、所属医局で教科書を書くなんて話が持ち上がったときには、ずいぶんゆっくりとした流れだった。 企画書が回ってきて、分野ごとに担当執筆者が決められて、締め切りはたしか、3ヶ月ぐらい後だった。時間の流れかたは、締め切りが遠いとずいぶん速くて、「そのうち書こう」なんて思った原稿はそのままになって、最後の数週間、大いに慌てた。実際に「締め切り」が来て、原稿はもちろんそろわないから、それからまた、ずいぶん時間がたった。 原稿を書いたことすら忘れた頃、印刷物になった原稿が、手元に帰ってきた。みんなでそれに赤で訂正を入れて、たぶん訂正したのはそれっきりで、原稿はになった。 今でも時々、上の先生がたがを書く。やっぱり「忘れた」とか「忘れた頃に」なんて言葉は多くて、出版のペースは、そんなに変わっていないような気がす

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    mmasuda 2010/01/24
    そうやって作ったからっておもしろいものたくさんできるわけでは無いというのはエロゲの世界を見れば(遠い目。
  • ゲームとジレンマ - レジデント初期研修用資料

    ゲームとは 問題の中心にジレンマがあって、参加者が、自らの選択を通じてジレンマの解消を試みるとき、その状況は「ゲーム」であると言える。 ゲームにはルールがある。ルールとはジレンマの設計であって、よくできたルールは、 ジレンマの観察が容易で、「誰にでもできる簡単なことをふたつ同時に行おうとすると難しくなる」状況を内包している。 ジレンマ解消の先にあるもの ゲームのルールがルールとして機能している時期、ジレンマに対する最適解がまだ見つかっていない時期のゲームは楽しい。 多様な戦略が提案されて、その多くは失敗するけれど、全ての失敗もまた、経験として参加者に蓄積される。試行のコストは低く、 失敗しても、失うものは少ない ルールの中心に見えていたジレンマが解消されたそのとたん、ゲームはいきなり地獄になる。多様性を競った時代は終わり、 定番となったある戦略に、全ての参加者が収斂していく。アイデアの価値

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    mmasuda 2009/08/22
  • 分からないときの振る舞いかた - レジデント初期研修用資料

    間違える、あるいは「放り出す」といったほうが正しいのかもしれないけれど、患者さんを診察して、 その人の抱える問題に対して、主治医としてなんのアイデアも浮かばないときに、 患者さんに対して、どう「ごめんなさい」をすれば、その人の問題が解決できるのか、 そんなことを考えてる。 間違えが正しく重なると治る 胸部大動脈瘤で手術になった患者さんは、最初に整形外科にかかっていた。 その患者さんは「肩が痛い」と訴えて、胸が痛いとか、苦しいとか、 そういうお話しを全然しなかったらしい。 患者さんを診察した整形外科の先生は、肩を診て、分からないからレントゲンを撮って、 心臓の上側がやけに大きく拡大していたものだから、「肺癌疑い」なんて診断で、 その患者さんを紹介した。 外来に来てくれている呼吸器の先生は、胸を聴診しても、その人には何もなかったのだけれど、 「肺癌」と紹介されたものだからCTスキャンをオーダー

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    mmasuda 2009/08/05
  • 今追っかけているページ - レジデント初期研修用資料

    新型インフルエンザに関して、個人的に見ているページのリスト。 全ては公開情報で、基的に、医療従事者だけが知りうる秘密の情報だとか、 我々だけに伝えられる、特殊な情報ルートとか、世の中にはたぶん存在しないはず。 海外のサイト CDC の翻訳版 CDC の新型インフルエンザに関するページ。Google 翻訳版。ある程度速報性があって、間違いなく公式の情報。 紋切り型の文章が多いからなのか、Google 先生の翻訳が案外読みやすくて便利。 2009 swine flu outbreak - Wikipedia, the free encyclopedia Wikipedia の新型インフルエンザに関するページ。世界の感染者数だとか、ニュースについて素早く更新される。 自動翻訳は、あんまり役に立たないので、英語のまま、数字を拾ったほうがいいと思う。 日語のサイト こういうのはいくつかまとめて追

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    mmasuda 2009/04/30
  • レジデント初期研修用資料: 診療における価値動作

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 動脈穿刺の秘訣 とりあえず動脈を触れる 触れた指の力を徐々に抜いていく 動脈は丸いので、最後まで触れている場所の真下に中心がある そこを狙って穿刺する 心カテをするには、動脈を穿刺できないと話にならない。肘の動脈なんかは結構深いところにあって、 慣れない人はまずこれができなくて、時間がかかる。 心カテの手技時間そのものは10分もかからないのに、 穿刺に時間取られてもう10分かかったりして。 昔から穿刺が下手だった。刺しかたを工夫してみたり、 狙いを定めて、皮膚の下にある動脈を、心の目で見て…なんて。 部下のダメ加減を見かねた上司から教えていただいたのが、上のやりかた。 教えられてしまえば当たり前のことなんだけれど、「動脈の真ん中に針が刺さる」

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    mmasuda 2007/10/31
  • レジデント初期研修用資料: 歪む時空のこと

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 「腕組みしたお父さん」問題 都市部では昔から、うちみたいな田舎でも、この数年増えてきた若いお父さん。 朝お父さんが出社して、お昼に子供が熱を出す。夕方遅く、お母さんが風邪ひきの子供を 近所の病院に連れて行って、夕方すぎて、まだ熱が下がらないから、夜10時ごろに外来へ。 「午前中から熱があって、近くの医者に行ってもろくに診察してくれなくて…」なんて。 前医を罵倒するのは何かの免罪符になっているところがあって、 夜中に子供さんを連れてくるお母さんの人称代名詞は、必ずといっていいほど「医者」であって、 間違っても「病院」とか、「先生」なんて言葉は夢のまた夢。 職の小児科医がみて様子をみた子供さんに、その4時間後に診た内科医が できることなんてあん

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    mmasuda 2007/10/17
    家庭における「男らしさ・父親らしさ」の発現場所としての病院。
  • レジデント初期研修用資料: 帯域制限のこと

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 帯域制限という言葉にずっと引っかかっている。 視覚や触覚は、センサーの情報全てを脳に伝えるわけではなくて、 脳からの指令で「見たいものだけを感覚する」制御を受けて、センサーの段階で情報制限をかける 生まれてばかりの子供の手足は、大人以上に自由に動くけれど、歩けない。重力に適応して、 動作に制限をかけることで「歩行」を獲得して、人は歩くようになる 味覚に形を感じたり、言葉や数に色を感じる「共感覚」の人というのは、その性質を役立てている。 「より尖った味付け」を工夫できたり、文字に色を乗せられるから、多言語を習得できたり もちろんメリットばかりではなくて、数万桁の円周率を暗記できたり、暗算能力がずば抜けて いるサヴァン症候群の人は、数や規則へのこ

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    mmasuda 2007/09/13
  • デスマーチなんだろうか? - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 久しぶりに喧嘩を売ってみる。 ♪デスマーチったらチッタカタァ行進だ デスマーチったらチッタカタァ行進だ 新人くん派遣くん かわりばんこ かわりばんこ 吐いて寝込んで チッタカタッタッタァ 病院へ連れて行け チッタカタッタタァ ♪デスマーチったらチッタカタァ行進だ デスマーチったらチッタカタァ行進だ 上司くんシスアドくん ザックザックボッコボッコ ザックザックボッコボッコ いい音鳴らして チッタカタッタッタァ 病院へ連れて行け チッタカタッタタァ か か 変わる 仕様書 み み 未曾有の 修羅場 あるのか ないのか なくても あっても おしまいだ ♪デスマーチったらチッタカタァ行進だ デスマーチったらチッタカタァ行進

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    mmasuda 2007/02/14
  • 「最初の1回だけ無料」ルール - レジデント初期研修用資料

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります トイレに入るときの救急隊ルール トイレに入ったら、まずトイレットペーパーを手にとる それから便器に座る 消防や救急、レスキューというのは いつ呼ばれるから分からない仕事。呼ばれたらすぐに尻を拭いて、現場に飛び出せるように。 地元の救急隊にも確認したけれど、これは全国ルール。もっとも、今はトイレの中にも無線が 入ったから、「慌ててトイレットペーパーをとる」ぐらいの時間はできたらしいけれど。 感染性腸炎が流行して、今すごいことになっている。 療養病棟2つは満床。急性期病棟の利用率は、この3日ぐらい9割越え。身動き取れない。 救急隊も休めないらしい。 日中は、事が取れなくなった老人の搬送で手いっぱい。夜になると、日中がまんしていた 若い人が耐えら

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    mmasuda 2006/12/10
  • レジデント初期研修用資料 凄いのにそう見えない人

    レジデント初期研修用資料 引っ越し前の旧blogです。新しいアドレスは http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/ になります 当に仕事ができる人というのは、一見すると何も仕事をしていない ように見えるのかもしれない。 できるほど透明になる 最近、ベテランの医事課のスタッフが一人、退職された。 「適当にやっておいて下さい」が通用した、数少ない人だった。 何か特別な資格を持っているとか、ものすごく大きなプロジェクトを成功させたとか、 そういう武勇伝みたいなものはなんにも無くて、淡々と医療事務をこなすだけの人。 でもすごい。仕事が快適。 事務仕事というのは複雑怪奇で、医者をやっている側からすればできれば近寄りたくない。 ああしたい、こうしたいという思いが医療者側にあっても、行政側にはその制度が無いとか、 それをやるためにはなにか特別な申請が必要とか。医療事務は、 そのあ

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    mmasuda 2006/10/08
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