陳腐な生活から抜け出したかった。彼女を退屈させているのも苦痛だった。 いつもと違う事をしていないと、つまらない日常を変えられない。いつもと同じ事をしていると、いつもと同じ結果がやってくる。 たまには休みに、映画館でも行こうか。彼女を連れ出し、遠くの、オススメの映画館へ。 この映画は、誰かしらが、どれかのキャラクターに感情移入できるだろう。 作中、夢を追い求めるルビッチとプペルを非難する人々に対して、「誰を傷つけたんだ!?」みたいなこと言うセリフがある。何が悪いんだよ、と言わんばかりの発言だ。その強気なセリフに心打たれる。しかし、故意じゃないにしても、夢を追いかける姿は、人を傷つけてしまう場合がある。 アントニオというキャラクターが出てくる。彼は、ホシを見ようとするブルーノやルビッチ、プペルを馬鹿にして、暴力まで振るう。 なぜ彼は、そこまでしてホシを見たがる者を嫌うのか。 彼自身、ホシを見た