いつもなら 園庭で元気よく飛び回り 遊び疲れた園児たちに 眠りの天使が舞い降りて 安らぎの時を運んでくる午後 春風小町の「いちご」は 園庭の端に植えられた樹の 太い枝にポツンと座り 誰もいない教室や 葉桜を眺めている 今年は、少し様子が違う いつもなら サクラがいつ咲くのか?予想して 祭りや宴の準備をし 予想日が当たっても外れても サクラが咲くと 青いシートを敷き並べて 飲んで食って歌って、宴を催す でも今年は祭りも、宴も あまり見かけなかった もっとも、露店が出て 飲んで歌ってにぎわう祭りは 少なかったが 「春のパンまつり」という 主に女性に人気のある 「まつり」はやっていた 「いちご」は 「春の神様」が 「人間は、苦しくて辛い 過ぎた日の想い出を数える生き物だ」 と、話してくれたことを思い出した 来年サクラが咲く季節には いつも通りのにぎわいが訪れ 楽しい想い出が数えられるようにと そ