端正な表情を見せる観音菩薩坐像(楊貴妃観音)=奈良国立博物館提供X線写真で確かめられた胎内の五輪塔と舎利(矢印)=奈良国立博物館提供 京都市東山区の泉涌(せんにゅう)寺にある観音菩薩坐像(ぼさつざぞう)(13世紀、国重文、高さ1.14メートル、通称=楊貴妃(ようきひ)観音)の胎内に、舎利(骨)を入れた五輪塔(高さ3.6センチ)が納められていることが、X線写真で確認された。同寺と奈良国立博物館(奈良市)が24日、発表した。 五輪塔と舎利は00〜01年の修理時のX線撮影で見つかったが、詳しい報告が残っていなかった。今回、奈良国立博物館の「聖地寧波(ニンポー)」展に観音像を出展するのに合わせ改めて撮影を試みた。胸の部分に五輪塔があり、塔の底部には極小の舎利3粒が入っていることがわかった。 観音像は中国・南宋製で、中国に渡った泉涌寺の僧・湛海(たんかい)が持ち帰ったとされる。その後、解体修理