カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ《氷海》 1823/24年、キャンバス・油彩、96.7×126.9cm、ハンブルク美術館蔵 Photo AMF / DNPartcom / © bpk / Hamburger Kunsthalle / Elke Walford 無許可転載・転用を禁止 疑問をつくるための作品 近年の気候変動は多くの人が実感しているだろう。東京都心の夏日(25℃を超えた日)は11月7日で今月3日目になり、1875(明治8)年の気象統計以来、11月の最多記録を更新、これで今年は143日目、1年の3分の1以上が夏日となり、春と秋が短くなってきている。日本人の感性を育んできた四季折々の風景をどれほど残せるだろうか。陰暦11月の霜月という異称が懐かしい。そんな折、凍てつく海に盛り上がった氷塊の絵が目に留まった。カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの代表作のひとつ《氷海》(ハンブルク美術