さて、ウォーターゲート事件の話題の次に、今回のお題であるアジア主義の検討に入りました。 松本健一さんの本の前半は、竹内好が『現代日本思想大系 第九巻』(筑摩書房)で書いた解説「日本のアジア主義」をそのまま掲載しています。まずは、この前半部分のレジュメ発表と質疑応答がはじまりました。 こういったゼミ形式の勉強会に出席するのは、修士の単位を取るために半年だけ日本に滞在したとき(一九九五年)以来のことです。すでに4回ほど出席していますが、われながら「よくつづいているなあ」と思ったりします。 今回、宮台さんに問い質したいことが、私にはありました。それは、「亜細亜主義」という言葉についてです。とりわけ漢字で「亜細亜」と表記することについて、宮台さんの考えを聞こうと思いました。この問題を語るときの語り口については、慎重にならざるをえない部分があります。書き誤ると、とんでもないことになりえます。よって、