鉄の腐食と気象データなどとの関係を人工知能(AI)で分析し、腐食量を推定する手法を、物質・材料研究機構(物材機構、茨城県つくば市)などの研究チームが開発した。近年老朽化が問題となっている橋などインフラが腐食しやすい場所を特定し、効率的な点検につなげる狙いがある。 橋桁などに使われる鉄鋼は、水や塩分にさらされ続けていると腐食しやすい。だが、雨などで塩が流されさびにくくなることもあり、海岸線からの距離や気温や湿度など特定の気象データだけで腐食状況を予測することが難しかった。 同機構は2013~14年、千葉県銚子市や福岡市など全国6地点に試験用の鉄板を設置し、板がどれくらい腐食するかを1カ月ごとに計測した。気象データは、農業・食品産業技術総合研究機構(つくば市)が公表している1キロ四方ごとの情報を利用。飛来する塩分の量は風速から推定し、腐食が進む条件をAIで分析した。その結果を基に、過去の気象デ