連作四季≪春・夏・秋・冬≫を始めとした、動植物や果物、料理、書籍、道具などを組み合わせて表現される肖像画で、一躍名を馳せたミラノ出身のマニエリスムの画家。フェルナンド1世、マクシミリアン2世、ルドルフ2世と3人の皇帝に仕えるほど、当時は著名な画家であったが、画家の死やバロック絵画の台頭などで人々から忘れられた存在となり、シュルレアリストたちによって再評価されるまで、あまり評価されていなかった。アルチンボルド作品を代表す連作シリーズ『四季』は、現存するだけで4つ存在し、各目録に記載されるものも合わせれば、6つものヴァリアントが確認されているなど(現存する最古のものはウィーン美術史美術館が所蔵する≪春≫≪夏≫≪冬≫。≪秋≫は消失。)、当時の画家に対する高い評価と知名度が伺える。