教育は万人に開かれていますか――。「もうログインしたくない」。米西海岸シアトル市のアドリエン・マックイアンさんの娘、アリアさん(9)は2020年9月、学校のオンライン授業初日で打ちのめされた。生徒同士のあいさつもなく朝から画面を見続ける6時間は苦痛でしかなかった。マックイアンさんは私的な学習活動「ポッド」の利用を決めた。【前回記事】信頼の置ける隣人や友達同士で教師を雇い、超少人数の授業を受ける。新型コロナウイルスの感染拡大で対面授業が規制された米国で台頭し、情報交換のためのフェイスブックページの参加者は4万人に達した。アリアさんは午前7時40分から午後2時半まで授業を受けている。教師1人を雇う1家庭あたりの費用は月800ドル。マックイアンさんの家計では食費や光熱費を上回る出費だが、「成長には大事な時期。勉強の質と友人関係を考えれば払う価値がある」。コロナ禍は各国で一般市民の教育への不安を増