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ブックマーク / econ101.jp (8)

  • ブランコ・ミラノヴィッチ「ウクライナにおける現在の戦争の起源についての通説と真因」(2022年12月25日)

    現在の紛争の根源は、歴史的なものであり、共産主義連邦の初期設定や共産主義の発展モデルの経済的失敗に起因していることを見なければ、現在の紛争や未解決の紛争、そして今後起こりうる紛争を理解することはできないだろう。 第一の説:「民主主義と専制主義の対決」 この説が最も有力とされている。紛争を民主主義と専制主義の戦争とみなすものだ。この説は、ロシアは独裁者によって統治されている、ウクライナは選挙で民主的に選ばれた大統領によって統治されているとの事実をベースにしている。しかし、この見解は、2004年のウクライナの政権交代は不公平な選挙に対する社会的反乱の結果だった、2014年の政権交代は合法的に選出された政府に対するクーデターだった、といった多くの事実を無視している。さらに、ウクライナは、戦争前も、2014年以前も、旧ソ連邦の構成国で最も失敗した国家だった。汚職のレベルは極めて高かっただけでなく、

    ブランコ・ミラノヴィッチ「ウクライナにおける現在の戦争の起源についての通説と真因」(2022年12月25日)
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2023/01/09
    “単一民族国家では、ナショナリズムは民主主義と融合した。しかし、多民族国家では、ナショナリズムは未解決の領土問題を巡っての戦争を引き起こし続けた。”
  • ブランコ・ミラノヴィッチ「歴史の終わりの終わり:私たちはこの戦争で何を学んだのだろう?」(2022年3月2日)

    ブランコ・ミラノヴィッチ「歴史の終わりの終わり:私たちはこの戦争で何を学んだのだろう?」(2022年3月2日) The end of the end of history What have we learned so far? by Branko Milanovic 戦争は最も恐ろしい出来事だ。絶対に起こってならない。全人類はその努力でもって、戦争を実行不可能に追い込まねばならない。違法化するだけに留まらず、誰しもが実行できない、あるいは始めるインセンティブを持たないようにするような、不可能化が求められている。 しかし残念なことに、我々はまだそこには到達していない。人類はそこまで進化していないのだ。我々は今、非常に残酷なものとなるかもしれない戦争の真っ只中にいる。 戦争はまた、(冷酷に思えるかもしれないが)我々の先入観を見直す機会にもなっている。物事は、突如として鋭く焦点化する。信念は幻

    ブランコ・ミラノヴィッチ「歴史の終わりの終わり:私たちはこの戦争で何を学んだのだろう?」(2022年3月2日)
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2022/03/21
    “今行われている戦争は、世界の複雑さ、そして文化的・歴史的「荷物」がどれだけ重いものであるかの証明であり、なんらかのシステムが最終的にあらゆる人に受け入れられるとの考えが妄想であることを私達に示してい
  • ノア・スミス「メタバースと(ほぼ)無限の経済成長」(2021年11月9日)

    [Noah Smith, “The Metaverse and (near-)infinite economic growth,” Noahpinion, November 9, 2021] ビットの世界で鍛冶仕事に精を出す必要なんてある? 「有限の資源しかない地球で,いったいどうすれば無限の経済成長が可能なのか,ひとつ記事を書きなよ」って,このところずっとみんなにせっつかれてる.さて,Facebook が社名を Meta に変更して,今年は100億ドルを拡張現実 (AR) と仮想現実 (VR) に投資すると公表した.これを同社は「メタバース」と称している.この件をきっかけに,無限の経済成長について記事を書いてみようと思う. 実は,「メタバース」という名称の由来は,ニール・スティーブンソンが1992年に出した小説『スノウ・クラッシュ』にある.この小説は,サイバーパンク SF の中核的な作品

    ノア・スミス「メタバースと(ほぼ)無限の経済成長」(2021年11月9日)
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2021/11/19
    “仮想環境の人々は地球の現実の資源を枯渇させることなしに経済的な価値をつくりだせる.”
  • ブランコ・ミラノヴィッチ「孤独のグルメ…超競争社会の中で」(2017年11月2日)

    Dining alone…in a hyper-competitive world Thursday, November 2, 2017 Posted by Branko Milanovic ニューヨークでほぼ一人4年間暮らし、少なくとも400回は一人で夕べてきたので、孤について…そしてそれが私たちが住む世界について何を教えてくれるかに意見を述べる権利を私は有していると思う。 最近読んだによるなら、ニューヨークはレストランの総座席数において、孤向けの席の割合が最も多い都市であるとのことだ。これは偶然でないように思う。私の経験でも、ニューヨークにおける孤向けの席の数は増え続けているようだ。 孤のメリットは何だろう? 明白となっているものがいくつかある。「好きな時間に好きな場所で事をすることができる」「割り勘を心配しなくていい」「好きなだけいられる」などだ。孤は〔都市で〕共

    ブランコ・ミラノヴィッチ「孤独のグルメ…超競争社会の中で」(2017年11月2日)
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2021/07/20
    “テクノロジーが不可欠になった社会では最高の贅沢として、無益な反乱と黙認の笑みが許容されるだろう。ジャック・エリュール著『技術社会』(1954年)”
  • サイモン・レン=ルイス「COVID-19パンデミック下とその後の財政政策」(2020年12月1日)

    [Simon Wren-Lewis, “Fiscal policy during and after the coronavirus pandemic,” Mainly Macro, December 1, 2020] 先日行われたこのセミナーに触発されたのもこの記事を書こうと思ったきっかけだが,同時に,The Resolution Foundation から出たこの見事な論文にも触発された.長文失礼.だが,とりあげるべき事柄が多いのだ. この記事は5パートにわかれる.最初のパートでは,過去10数年に財政政策の理解がどう発展してきたかに目を向ける.パンデミック下で財政政策をどう実施すべきかを考えるのに,この点は必須の背景知識だ.2つ目のパートでは,パンデミック下の財政政策支援に目を向ける.3つ目のパートでは,大衆がワクチンを接種した結果としてパンデミックが実質的に終わったときから,経済が完

    サイモン・レン=ルイス「COVID-19パンデミック下とその後の財政政策」(2020年12月1日)
  • リチャード・ボールドウィン「新型コロナ暴動シナリオ:格差と感染の混合爆弾」

    Richard Baldwin “The COVID-19 upheaval scenario: Inequality and pandemic make an explosive mix” VOXEU, 15 March 2020 医療専門家の推測が示唆するところでは,アメリカの病院の収容能力はイタリアと同程度の新型コロナ症例の急増に対処するに足りていない。患者の選別をしなければならない状況にアメリカの病院が陥るのを避けることは,非常に多くのアメリカ人が医療へのアクセスに問題があり,数十年に及ぶ経済的低迷と格差の拡大に由来する激怒の兆候,幅広く銃が所有されていることを考えれば,とりわけ重要だ。そのためには,注意深すぎるほどに注意し,即時かつ大規模に社会的距離をとることが必要だ。 3月11日,疫学博士でハーバード大学公衆衛生大学院の感染症動態研究所所長のマーク・リプシッチは,私たちに対して

    リチャード・ボールドウィン「新型コロナ暴動シナリオ:格差と感染の混合爆弾」
    mmsuzuki
    mmsuzuki 2020/03/24
    “一方でエリートが市立病院での集中治療に優先アクセスを得つつ,その一方で中間所得層の人々が公立病院から追い返されている/この物語が暴力的な形で終わることは容易に想像できるのではなかろうか”
  • ポール・クルーグマン「苦しむ日本がとるべき道筋」

    Paul Krugman “The Right Course for a Troubled Japan,” Krugman & Co., November 26, 2014. [“Structural Deformity,” The Conscience of a Liberal, November 20, 2014.] 苦しむ日がとるべき道筋 by ポール・クルーグマン Stephen Crowley/The New York Times Syndicate 日の安倍晋三首相が消費税増税の延期を模索してるのは,正しい.延期はいい経済政策だし,ぼくにとってはかなり新鮮な経験でもある――国のリーダーと会って,正しい政策の主張をして,その相手がまさにそのとおりにやってるんだもの.(もちろん,同じ主張をしてた人はぼく以外にたくさんいる.) ただ,懐疑の声もたくさんある.全面的に正当な疑いだ:

    ポール・クルーグマン「苦しむ日本がとるべき道筋」
  • ポール・クルーグマン「栄えるな,早めに死ね」

    Paul Krugman, “Don’t Prosper and Die Early,” Krugman & Co., March 20, 2014. [“Don’t Prosper and Die Early,” The Conscience of a Liberal, March 16, 2014.] 栄えるな,早めに死ね by ポール・クルーグマン 今月はじめに『ニューヨークタイムズ』に載ったアニー・ロウリー記者の記事は読んでよかった.持つ者と持たざる者で平均寿命の差が大きくなっている状況を伝えている(ここで読める:LINK). ただ,多くの読者にこれが初耳に思われているばかりか,政策担当者や評論家にもそう思われているらしいのが,なんと言うか,いらだたしい.多くの経済学者は,長年にわたってこの点を広く伝えようとつとめてきた――人々が社会保障とメディケアの受給開始年齢を引き上げようと求

    ポール・クルーグマン「栄えるな,早めに死ね」
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