6月22日、首相官邸前で大飯(おおい)原発再稼働に反対する大規模デモが行なわれた。主催者発表によると約4万5000人、警視庁発表では約1万1000人が参加。約2時間に渡って再稼働反対を訴えた。 デモに参加する、しないに関わらず、多くの国民が政府のやり方に疑問を持っていることは間違いない。経済産業省OBで、エネルギー政策に詳しい慶應義塾大学大学院教授の岸博幸氏はこう語る。 「原発の安全性に不安を持つ国民に対して、政府は説得する誠意を見せず、最初から再稼働ありきで物事を進めた。そもそも、今夏の電力需給が逼迫(ひっぱく)することは昨年からわかっていたことです。それなのに、再稼働の根拠となる新安全基準は、4月にわずか3日間の突貫工事で作った暫定的なもの。そんなものをクリアしたって誰も納得できるわけがありません。半ば脅すような形で、“時間切れ”を盾にして再稼働を決めたのはあまりにも拙速(せっそく)で
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