2か月ほど前、植木千可子『平和のための戦争論~集団的自衛権は何をもたらすのか?』(ちくま新書/2015年2月)を読んだ。「安全保障に関する基本を確認しつつ、現在進行中の問題に当てはめて考える」という点では「役立つ本」だな、と思った。 ■植木千可子(うえき・ちかこ) 早稲田大学教授。マサチューセッツ工科大学(MIT)国際研究センター・安全保障プログラム客員研究員。専門は国際関係と安全保障。 以下、私が関心を持った箇所のみを取り上げ、考えた事を記していきたい。 *< >内は本書からの引用。[ ]内は引用者(星徹)が補った。 (1)米中は軍事的に敵対し続けるのか? 米国にとっての日本の価値は? <覇権国は、2番手の台頭と挑戦を予測すると、挑戦国を押さえ込もうとする。当然、2番手の不満はいっそう強くなる。>(P45) *その3つの例(P45~46) ・第1次世界大戦勃発当時の英国とドイツの