米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(70)は、米メディアから「無知、ペテン師」などと評され、人種差別・女性蔑視の発言で批判される。計3回のテレビ討論会でも劣勢を跳ね返せず、窮地に陥った。それでもなお、支持を続ける人たちがいる。なぜ、こんな人物が大統領候補になったのだろう。 「トランプが国境を守れるように頑丈なフェンスを作っている」。米東部ペンシルベニア州シャロンのバーで、フェンス工場で働くロニー・リッカドナ(37)が冗談を飛ばした。 近くを流れる川沿いにはかつて製鉄所が並んでいた。グローバル化による国際競争に敗れて、多くは閉鎖や縮小に追い込まれた。一帯は典型的な「ラストベルト」(さび付いた地帯)と呼ばれ、工場や住宅の廃虚が目立つ。 「たまたま生まれたのがさびれた町だった」とグラスを傾ける。時代や生まれた所が違えば、違った人生があったはずだ、と。 大学でデザインや広告を学んだが就職でき
11月のアメリカ大統領選を控え、女性初の大統領の座を目指すヒラリー・クリントン民主党候補と、移民排斥など過激な言動で旋風を起こしているドナルド・トランプ共和党候補の争いが注目を集めている。移民の国と言われるアメリカで、なぜこれほどトランプは支持を集めているのか。『移民大国アメリカ』(ちくま新書)を上梓した成蹊大学法学部の西山隆行教授にアメリカ国内での移民像と実際、移民政策、エスニック集団の活動や影響力などについて話を聞いた。 ――アメリカ大統領選でのトランプ旋風が止まりません。移民の国という日本人のイメージに反し、トランプ氏の移民排斥発言が支持される理由はどこにあるのでしょうか? 西山:様々な要因が複合的に絡んでいるので、一概には言い切れません。しかし、白人の中でマイノリティに対する危機感があるのは間違いないのだろうと思いますね。 というのも、アメリカ国内における中南米系を除く白人の人口は
10月初旬のニューヨーク市マンハッタン。米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ氏が所有する高層ビル「トランプタワー」の前に同氏の支持者が集合した。ニュージャージー州やワシントンなど、参加者の出身はバラバラだ。 ちょうど前日にトランプ氏が女性を蔑視するわいせつな発言をしていた過去が明らかになったのだが、地元メディアにカメラを向けられた参加者は意に介さない。「彼は米国を愛している」「(対抗馬で民主党候補の)ヒラリー・クリントンの過去を洗うべきだ」と口々にトランプ氏への思いを訴えていた。 女性蔑視発言だけではない。大胆な節税術や複数回にわたる不適切な性的行為疑惑。このところのトランプ氏は「恥ずかしい過去」が続々と明らかになっており、大統領選の得票率を占う世論調査では、クリントン氏に後塵を拝している。 それでも、トランプ氏は意気軒高だ。下がったとはいえ、35〜40%台の支持率を死守しているため
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く