中国が核軍拡を進めているとみられる。その全貌はベールに包まれている。戦術核を保有しているのか。保有しているとすれば、どのように使うのか。「日本にとって、現状では米国の核の傘が必要。だが、その役割を縮小する努力を諦めてはならない」。この矛盾を解くカギは何か。原子力を巡る安全保障に詳しい、小林祐喜・笹川平和財団研究員に聞いた。 (聞き手:森 永輔) 中国が、核戦力および核物質をめぐる不透明さを修正しないと、どのような事態が起こりますか。 小林祐喜・笹川平和財団研究員(以下、小林氏):軍拡ドミノを引き起こす恐れがあります。中国が核軍拡を進めているとみられる一方で、その規模は分からない。こうした状況で、中国と国境紛争を抱える隣国インドはどのような行動を取るでしょうか。少なくとも抑止力として機能するレベルの核戦力を整えようとするでしょう。インドが核軍拡に動けば、それに応じて、インドと対立するパキスタ
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