今回、じっくり論じるのは参議院議員の三原じゅん子さんです。三原さんの著書や論考、対談、インタビューなどを徹底的に読みました。三原さんは自らのがん手術の経験や介護施設運営の経験から、政治の重要性に目覚め、参議院選挙に立候補しました。そして、2015年3月の参議院予算委員会で「日本が建国以来、大切にしてきた価値観」として「八紘一宇」の重要性を主張しました。 戦前の国体論と密着した「八紘一宇」という言葉が、現職国会議員によって肯定的に語られたため、大きな話題となりました。一部では、福祉政策に熱心な議員なのに、なぜ「八紘一宇」?と疑問が投げかけられました。しかし、私が注目しているのは、福祉に熱心な姿と、「八紘一宇」という右派ユートピアを希求する姿の連続性です。そして、その根底にある三原さんの不安や寂寥感、憂鬱です。ここに現れている「論理と心理」は、戦前の超国家主義と相似形です。 今回は三原じゅん子