新型コロナウイルス感染が急拡大し、コロナ病床が逼迫(ひっぱく)している。首都圏に近い県東部は60%を超え、県西部も50%に達した。お盆明けには、さらに感染者が増加するとの懸念もあり、医療関係者からは「病床の大半が埋まる」との声も。最前線で治療に当たる医師は「今、感染を抑え込まないと、連日、感染のピークとなる状況が続く」と危機感を強める。 (岸友里、久下聡美) 今月上旬、浜松医療センター(浜松市中区)に三十代男性が搬送された。「あっ、あっ、あの…」。マラソンを走った直後のように、息苦しそうに激しく肩を動かす男性がストレッチャーで運ばれるのを、感染症内科の田島靖久部長は見守った。歩くことはできず、明らかに重症。搬送されてすぐに、集中治療室(ICU)に運び込まれた。